「…う”ーーーーーーん。」

自分の部屋にもどるとカバンを机の上に放り投げそのままベッドの上にドシンと横になり項垂れた。

逃げるように家に入って来たので奈々が家に入ったか確認していなかった。

部屋の窓のカーテンの隙間からチラッと覗くと、弥椰姉と家の前で立ち話をしているようだった。

「弥椰姉に俺の告白のこと話したかなぁ…。」

急に告白したことを思い出し恥ずかしくなり顔が熱くなる。

当然、あの場で気持ちを打ち明けるつもりなんて全くなかった。耕史は彼女を作る気はないと言っていたが、奈々を見る目がいかにも他の女子を見る目とは違っていた。自分でも気づいていないのか?ただの癒しキャラを見る目ではないと本能的に察知した。きっとそのせいで焦ってしまったのだ。

奈々の前ではアメリカ帰りの大人の余裕ただようイケ(だん)でいたかったのに…。

「俺ってば、よゆーなさすぎ。」

大人の余裕なんて微塵もかけらもなく情けないため息しか出てこない。

「はぁーーー……………っ。」

誰もいない室内にため息の音が大きく響いた。

「最後のアレ…いらなかったな…。」



『そう言えば耕史は今は彼女とかいらないって言ってたぞ。』


俺、耕史のこと意識しすぎじゃん。
奈々を耕史に取られたくなくて必死過ぎて泣けてきた。

……それでも俺は奈々が大好きだ。