「貴方のスパダリな婚約者がさらにグレードアップしているのだけど」


「グレードアップというよりもそこに溺愛という要素が追加されましたね」


「…………あの、そこまでにして下さいな」



自然と染まる頬を誤魔化すように紅茶を口にする。ちなみに今日のお茶菓子は手作りのジャムサンドクッキーにバターたっぷりのパウンドケーキである。


わたしを通じて交流を持ったシエタとメルティ様の相性は悪くなかったようで、最近ではこうして時間があると3人でお茶をするのだけれど……その内容が心臓に悪い。



「それにしても隠さなくなったというか、むしろ隠さなすぎてギャップについていけませんわ!」


「どうやらもうすぐ卒業するし、その後は社交界デビューするし婚姻も結ぶしと慶次続きで浮かれたみたいですね」


「うぅ…………」



そんなに冷静に言わないでほしい。ただでさえそのギャップに一番翻弄されているのはわたしだし、客観的にもそう見られているというのがたまらなく恥ずかしい。