誰もが、泣き出したちなにびっくりして黙っていた。
だけど、沈黙を最初に破ったのは、
「ちなちゃん。うちにおいで。」
お兄ちゃんだった。
ちなのそばに行って、優しいホッとするような笑顔でそう言う。
「ふ……(泣)、ふぇ……テルさん…」
「大丈夫。病院が嫌だったら、行かなくていいよ。だから、とりあえずうちにおいで。ゆっくり話そう。」
そう優しく囁くお兄ちゃん。
隣りでは、複雑そうな表情のタケさん。
ちなは、小さく頷いた。
「うん。……先に出てて。」
お兄ちゃんがそう言うと、ちなは1人、お店を出ていった。
「ちなっ・・・
それを追い掛けようとしたタケさんを、お兄ちゃんが止めた。
「タケ……とりあえず今は俺に任せとけ…。今のちなちゃんはお前じゃ話しができないと思う。」
「どういう事だよそれ?ちなが泣いた理由が分かってるって言うのか!?ふざけんな。ちなの彼氏は俺だぞ?……俺がちなと話す!」
キレたタケさんがお兄ちゃんに掴まれている腕を振り払う。


