ちょっと曇った私の表情を読みとったのか孝幸は、そっと私を引き寄せてた。


「俺のこと何か気にしなくていい。
瞳の気持ちが一番だからな。瞳がテルと暮らしたいって思うならそれがいい。」


優しく微笑んだ孝幸に、
私の心は決まった。


「私…お兄ちゃんと一緒に暮らしたい。」


そうはっきりと言った。


すると孝幸は、私のおでこにチュッとした…昔から私が泣きそうな時に必ずしてくれた魔法みたいなキス。


私、泣きそうだったんだ。


「そっか。テルも喜ぶな。」


「うん。電話してみる!」


私がお兄ちゃんに電話をしてみると…


――カランッ…


「あら、いらっしゃーい♪
ホントにすっ飛んできたのね~(呆)」


「瞳ぃ~~~~~♪♪♪♪」


「お兄ちゃん…わざわざ来なくても…」


『今から行く!!』…そう言ってすっ飛んできちゃったお兄ちゃん。


てか…抱き締めすぎだよっ…


ぐ…ぐるぢぃ。。(泣)


「はいはい。分かった②。とりあえず、座れって。瞳がつぶれるだろ。」


「ふぁぁ~い…(泣)」


すでに泣いてるお兄ちゃんを、孝幸が私から離してイスに座らせる。


「全く、とんだドシスコンになっちゃったわね。」


タロウさんが頬杖をついて私にくっつくお兄ちゃんを呆れてみる。


孝幸もちょっと苦笑いだし。