「凉さん…ここ…」
黒い革張りのソファーにスーツの上着を脱ぎ捨てながら、
「俺の部屋。散らかってるけど、この辺に座って。あと一応、親御さんに連絡しておいて。」
「はい…。」
凉さんはそういうと、キッチンへと入って行った。
リビングに1人になった私は、家に遅くなると連絡した。
もちろん、友達の家で勉強すると言って。
親に初めて、こんな嘘をついた。
ごめんなさい、お母さん。
許してね?
電話を切って、改めて凉さんの住まいを見渡した。
あまり家具もなく、色も白、黒、透明とかモノトーン。
凉さんらしいお部屋だなぁ…
部屋は2部屋あって、カウンター付きのキッチン。
凉さんって料理とかするのかな。
そんな事を考えながら部屋を見渡してると、キッチンから紅茶の入ったカップを持った凉さんがリビングへ帰ってきた。
「連絡できた?」
「はい。あの、どうして…」
どうして私をここに連れてきてくれたのだろう。
「ゆっくり話したいと思って…
あと、久々だから…一緒にいたくて。」
そう言ってくれた凉さんはちょっと照れたような表情…
たまに見せてくれる私の好きな凉さんの素顔…。
「はい。私も一緒に居たかったです」


