「いたずらされる〜」
真顔で言いつつ、身動きが取れない腕で、器用に私の体ごと包み込んだ。
背中にはふーくんの腕が回されていて、逃げられない状態だ。
こ、これは、"ホールド"というやつでは…!?
自分の方から滅多に抱擁してこないあのふーくんが、今日は、やたらと積極的な気がする。
「……ふーくん、なんか、いつもと違って、甘々だね…」
普段甘えてこないふーくんも好きだけど、これはこれで結構嬉しいかもしれない。
「だって、せっかくまおがかわいい格好で誘ってきたから、今日は特別に何でもしてやろうかなって…」
「ほら、イタズラどーぞ」と、言った瞳で促されるが、どんなイタズラをしようか、何も考えていなかった。
そもそも、こんなことになるとは予想もしていなかったのだ。
友人からは、『甘く迫っちゃえ♡』なんて、言われたけど、最初から迫るつもりはなかったし、なんなら、ふーくんに『まお、かわいい』って褒めてもらいたかった。


