犯人が見つからず、彼女がこれからも危険に脅かされながら生きるなら、いっその事彼女がいじめられているという事実がこの世からなくなってしまえばいいと思った。

そんな時だった。

記憶屋の噂を聞いた。

記憶を消してくれるというものだった。

記憶屋を呼び出すには心の中で願い求める。

ただそれだけだった。

それだけで記憶屋と連絡が取れるなんて信じられる訳はなかった。

多くの人間が記憶屋が現れるのを願ったが、誰もその願いが叶った者はいなかったそうだ。

だとしても、万に1つの可能性があるのならば願わない手はなかった。