星と月と恋の話

結果。

私は一人で、差し入れのお好み焼きや、フランクフルトや、フライドポテトを食べ。

その向かい側で、結月君はいつも通り。

自分で作ってきたというお弁当を、もぐもぐ食べていた。

言っておくけど、私だって凄く気まずかったんだからね。

でも、他にどうしたら良かったのよ。

折角の差し入れのはずが、ほとんど味を感じない。

更に、訪問者は真菜と海咲だけではなく。

「よっ、星野、いる?」

「あ、隆盛…」

ステージ設営担当の隆盛が、空き教室に顔を出した。

どうして、ここに隆盛が。

と、思ったら。

隆盛は、片手にプラスチックのカップにストローを刺したドリンクを持っていた。

ま、まさか。

「ささやかな差し入れ。まぁ、これ飲んで英気を養えよ」

やっぱりまた差し入れだった。

嬉しいし、有り難いのだけど。

「あ、ありがとう…」

チラッと、結月君の方を見る。

結月君は我関せずといった風に、黙々とお弁当を食べていた。

私ばっかり差し入れをもらって、物凄く気まずい。

「お前の好きなラズベリーのドリンクだよ」

「あー、うん。ありがと」

鮮やかな赤色が綺麗で、見た目にも映えるドリンクだ。

とても嬉しい。

嬉しい、そして気まずい。

でも、私がこれほど気まずい思いをしているのに、誰もそれに気づかない。

「どう?こっちは。忙しい?」

隆盛は、何事もなかったように聞いた。

「結構忙しいよ。でも…結月君が凄い頑張ってくれるから、めちゃくちゃ助けられてる」

お世辞ではなく、これは事実だ。

私一人だったら、今頃半分も進んでない。

「ふーん、そっか。俺はフリーだからさ、何か買ってきて欲しいものあったらEINLくれよ。遠慮なくパシリにしてくれ」 

「う、うん。ありがと」

これほど頼もしい言葉はない。のに。

今ばかりは、不必要な有り難さだった。

「じゃ、頑張ってな」

「うん。隆盛もね…」

「って言われても、俺はもうほとんどやることないんだけどな」

隆盛は苦笑いでそう言って、空き教室を出ていった。

…差し入れに、ドリンクが一つ増え。

更に、私の気まずさも一段階レベルアップ。

何度も言うように、真菜や隆盛達に悪気がないのは分かってる。

でも、やっぱり気まずかった。