星と月と恋の話

そもそもこの二人、こんなところで何やってるんだろう。

と思ったら、それも一目瞭然だった。

Aクラスの二人は、机の上にお金を並べて、一枚ずつ数えている真っ最中だった。

あ、成程、会計か何かやってるんだ…。

それで、お金の計算してるんだね。

…。

…地味っ。

アンケート調査より地味な仕事はない、と思ってたけど。

まさか隣のクラスに、同じく地味な仕事をしてる人達がいたとは。

負け組は私達だけじゃなかったんだね。

何だかちょっと、救われたような気分に…。

…ならないよ。

それはそれ、これはこれでしょ。

負け組同士で傷を舐め合ったって、虚しいだけだもん。

「ごめんなさい、お邪魔しました〜…」

私は曖昧に笑いながら、二人の元を後にした。

はー…びっくりした。

ぼんやりして、教室を間違えるなんて。

「僕達はこっちですよ、星ちゃんさん…」

「うん、そうね…。…それにしても、さっきのアロマディフューザーと変な歌、何だったんだろう…?」

会計に、あんなもの必要?

何がやりたかったの?全く意味不明なんだけど。

「…チョコレートの匂いだったな…」

ポツリと、結月君が呟いた。

…え…?今何て?

私、あれが何の匂いかさっぱり分からなかったんだけど…。

もしかして、結月君には分かったんだろうか…?

いや、まさかぁ…。

それに、どうでも良いことだよ。

AクラスはAクラス、私達は私達なんだから。

「アンケートの集計…早く終わらせちゃおうよ」

「そうですね」

改めて、Bクラスに充てがわれた空き教室に入り直す。

今度は、ちゃんと無人だった。

はぁ、やれやれ。

じゃあ改めて。

気の滅入るような作業を、始めるとしましょうか。