星と月と恋の話

…午前の、2回のステージ発表が終わり。

私と結月君は、空き教室に向かった。

当然、回収したアンケートを集計する為だ。

「はー…。楽しそうだったなー…。真菜達…」

「…」

ついつい愚痴を溢してしまう私とは裏腹に。

結月君は文句の一つも言わずに、回収ボックスを運んでいる。

いつまでもグチグチ言ってる、私が未練がましいんだよね。

分かってますよー。

やれやれ。早いところ集計して、せめてお昼ご飯だけでも屋台で買ってこよう…。

と、私は空き教室の扉に手をかけた。

確かここだよね。Bクラスに充てがわれた空き教室。

「あ、星ちゃんさん、そこ違…」

と、後ろからついてきた結月君が、慌てて声をかけるも。

「え?」

時既に遅く、私は空き教室の扉を開けてしまっていた。

すると。

「…ん?」

「あれ?」

空き教室のはずが、中に二人、机に向かって作業をしている人がいた。

えっ?

「?何者ですか?」

「あ、隣のクラスの…」

と、中にいた二人は言った。

よく見たら、その二人はAクラスの生徒だった。

車椅子に乗った男子生徒と、あと一人は…。

…げ。

あの子確か…例の中二病転入生の、久露花さんじゃん。

って言うか、何でここに、この二人が?

「星ちゃんさん、僕達の教室はここじゃなくて、この隣です」

「え、そうなの?」

結月君に教えられて、ようやく気がついた。

ここはAクラスに充てがわれた空き教室。

私達の教室は、この隣だ。

ぼんやり歩いてたから、うっかり間違えてしまった。

「ご、ごめんなさい。間違えちゃったみたいです」

私は慌てて謝った。

すると。

「いえ、お気になさらず。人間なら誰でも間違いは犯すものです。…その点私はアンドロイドですので、間違うことはありませんが」

と、久露花さんは謎のドヤ顔で言った。

え、ちょっと何言ってるの、この人…?

中二病拗らせてるとは聞いてたけど、あれって本当だったんだ。

それに、久露花さん以上に気になるのは。

この部屋、なんか変な匂いがする。

な、何の匂い…?

匂いの発生源は、一目瞭然。

部屋の中央に置いてある、見慣れないアロマディフューザーだ。

何であんなものがここに…?

そして、匂い以上に更に気になるのは。

教室中に流れている、謎の歌。

スマートフォンから流れてるみたいだけど、これ何の歌…?

なんか…外国語の歌っぽいけど…。

変な匂い。変な曲。中二病の久露花さん。

車椅子の彼が一番まともに見えるんだけど。これ何?