星と月と恋の話

その後。

完成したアンケート用紙を、事前に決めていた枚数分印刷した。

ガシャコンガシャコン、と印刷機が大量の紙を吐き出すのを眺め。

ようやく印刷が全部終わると、完成したアンケート用紙をまとめた。

「おー、凄い凄い。良い感じに出来てるじゃん」

「はい。…改めて確認しましたが、誤字脱字もありません。星ちゃんさん、ありがとうございました」

いやいや。

「私入力しただけだから。ほぼ結月君の功績だよ」

「?でも、僕がやったら、多分あと2時間はかかってたと思うので…」

それは遅過ぎるね。

「だから、代わってくれてありがとうございました」

「い、いや…。良いのよ、そんなの気にしなくて…」

そんな、改めて頭を下げるようなことじゃないって。

真面目にも限度ってものがあるでしょ。

結月君がフォーマット作ってくれてなかったら、もっと時間かかってただろうし。

お互い様だよ。

「アンケート係は二人一組なんだから、二人で協力して頑張ろうよ」

あれだけ面倒臭がってたお前が言うか、って思われそうだけど。

こればかりはお互い様なんだからさ。

折角二人いるんだから、二人いる利点を活かそう。

「…そうですね。分かりました」

「あとは、これを当日に配るだけだね」

「はい…。でも、回収ボックスの準備や、筆記用具の準備もありますよ」

あぁ、そうだった。

アンケート用紙紙だけ完成させても、まだ不充分なんだっけ。

そういうところに頭が回るから、結月君は偉いよ。

私一人だったら、とっくに崩壊してたでしょうね。

「当日までに用意しましょう」

「そうね」

結月君がパートナーで、正直最初はげんなりしてたけど。

むしろ、結月君が相棒で良かった。

これが海咲や正樹だったら、前日まで放置して、当日てんてこ舞いするところだったよ。

お互い怠惰だもんなぁ。

今ばかりは、結月君の生真面目さに助けられた。

相棒がしっかりしてると、これほどスムーズに事が進むとは…。

一見頼りないように見えるけど、意外としっかりしてるんだよね、結月君って。