星と月と恋の話

「私は、今の私の方が好き。誰に何と言われようと…変わって良かったと思ってる」

人を傷つけて初めて、人の痛みを知った。

自分の愚かさと、幼稚さを知った。

だから変わった。

結月君の傍で、私は変わることが出来た。

そのきっかけをくれたのは、全部結月君だ。

君のお陰で、私は変わることが出来たんだよ。

「…ありがとう。私を変えてくれて」

「どういたしまして…と言いたいところですが、それは僕も同じですよ」

え?

「自分にこんな一面があるなんて、知らなかった。あの罰ゲームがあって、あなたに会って初めて知ったんです。…あながち、罰ゲームも悪くなかったのかもしれませんね」

…ほわぁぁぁ…。

結月君が、あの罰ゲームのことを…笑って話す日が来るとは。

だからって、タチの悪い罰ゲームが許される訳じゃないけど。

あながち、悪いことばかりではなかったんだなぁ。

終わり良ければ、って奴かもしれない。

「分からないものですね、人生」

「本当にね…。結月君には、色々驚かされてばっかりだよ」

君って人は、意外性の塊だから。

「もうね、私は君がいきなり『実は生き別れの兄弟がいて…』とか言い出しても驚かないわよ」

もうね、結月君に関する大抵のことなら、何を暴露されても驚かないわ。

私も耐性がついてきたから。

「いや、生き別れの兄弟なんていませんよ…」

「でも、私に隠してることあるでしょ?まだ隠してる秘密、あるでしょ?」

「え、秘密…?」

「何かあるでしょ?今のうちに白状しなさい」

絶対に、まだ何かあるわ。

生き別れの兄弟に近い何かがあるわ。

「そ、そう言われても…うーん…。…あ、そうだ」

お、何か思いついたようね。

ほらね。やっぱり何かある。

そんなことだろうと思ったわ。