星と月と恋の話

こうして。

映画館デートのつもりが。何を間違ったか。

公園デートになってしまった。

初デートが公園って…。小学生のデートじゃん。

今日日中学生でも、もっと良いところでデートしてるよ。

結月君は結月君なりに、今日のデート何処に行こうか、頭を悩ませたんだろうなぁ。

それで最終的に出てきた結論が、自然公園だったと思うと。

これだから、分かってない人は…って思ってしまう。

もっとあるじゃん。女の子が喜ぶスポット。

そりゃあ、自然好きな女の子なら公園でも喜ぶかもしれないけど。

でも、それって初デートで行くところなの?

分かってないにも程があるでしょ。

これだったら、海咲の言ったように、ショッピングモールに買い物に行く方がまだマシだったかも。

自然公園なんて、仲良しの友達と行ったって話続かないよ。

あまりに興味がなさ過ぎて。

その上、ただでさえ話題に乏しい結月君と一緒に行くんでしょ?

今日一日、無言確定。

あぁ、もう。

気まずい雰囲気になったって、私は知らないからね。

自然公園なんてところに連れてきた結月君を恨むから。

とりあえず。

歩きやすいスニーカーを履いてきて、本当に良かった。

ミュールやサンダルだったら、歩きにくくて仕方なかっただろう。

…と、思いながら歩いていると。

「…見えてきましたよ」

「う、うん…」

結月君の指差す先に、自然公園の入り口があった。

…あれ?

なんか…ちょっと。

思ってたのと違う…ような気がする。