星と月と恋の話

「これでも僕、結構心配してたんですからね」

「…そうなの?」

「そうですよ」

…そうなんだ。

そういえば、何だかんだ毎日声掛けしてくれてたよね。

あんまり記憶にないんだけど…。

「雲の上でうさぎがソーラン節踊ってる辺りから、もう心配しかしてませんでした」

何それ?

「…私、そんなこと言ってた?」

「言ってましたよ。気が狂ったのかと思いました」

それは完全に気が狂ってるよ。

何よ、雲の上でソーラン節って。頭大丈夫?

って、言ってたのは私か。私大丈夫か?

「コンビニスイーツはやめても良いですが、ダイエットはもうやめてください。どうしても甘いものが欲しかったら、僕が作りますから」

「結月君…」

君って人は…なんて良い人なの。

さすが私の彼氏。優し、

「週5でケーキ食べてた人が、いきなり草食動物みたいな食生活したらどうなるか、小学生でも分かりますよ」

「結月君…。そろそろ私、泣き出すわよ…?」

迷惑をかけた張本人だから、文句言えない立場なのは百も承知だけど…。 

…すると。

「そういう言い方はないだろ」

え?

背後から声がして、振り向くと。

そこには、コンビニのビニール袋を片手に持った隆盛の姿があった。

「隆盛…?どうしたの?」

あ、ごめん。

口の中、おからクッキーでいっぱいだった。

もぐもぐ食べながら人と話すなんて、失礼極まりない。

が、隆盛はそんなこと、全く気にしていないようで。

「お前がダイエットのし過ぎで倒れたって、木村と佐伯から聞いてさ…」

それは聞かないで欲しかったなぁ。

「食べたいかなと思って、これ…買ってきた」

「え?」

隆盛が持ってきてくれた、白いビニール袋。

その中には。

「うっ…!こ、これは…!」

「コンビニスイーツ。星野、これ好きだろ?」

今の私にとっては眩しいパンドラの箱でしかないコンビニスイーツが、ゴロゴロとビニール袋いっぱいに詰まっていた。

隆盛、あなたって人は…。