星と月と恋の話

…怒られた。

保健室の先生に。

すんごい怒られた。

「食べ盛りの高校生が、ダイエットなんてするもんじゃありません!」って。

五時間目の体育の授業で、ふらふらと貧血で倒れ。

すぐに目を覚ましたのだけど、念の為にと保健室に担ぎ込まれ。

実はかくかくしかじかでダイエットしてて、と説明したところ、お叱りの言葉をもらった。

その後すぐ、保健室の先生が購買でサンドイッチを買ってきてくれて。

「これ食べなさい」と、見張られながら食べたサンドイッチは。

この世にこんなに美味しい食べ物があったのか、と思うほどに美味しかった。

今まで食べた、どんなサンドイッチより美味し、いや。

結月君のフルーツサンドの次に、美味しかった。

滋養に満ちた味がしたよ。

で、迎えた放課後。

今度は。

「あなたという人は、とんでもない馬鹿ですよ」

「うぐっ…」

「そりゃ止められなかった僕も悪いですけどね?それにしたって、あんな極端なダイエットして。誰が見たって危ないってって分かりますよ」

「うぅ…」

「太ってることなんかより、体育の授業でぶっ倒れて保健室に担ぎ込まれる方が、よっぽど恥ずかしいですよ」

「…もう許してよぅ…」

「嫌です」

あぅぅ。

結月君が手厳しい。

保健室の先生に散々怒られたと思ったら、今度は事の次第を聞いた結月君に怒られていた。

しかし。

「おからなのに、美味しいよぅ…」

「良かったですね」

結月君が作ってきてくれたおからクッキーを、改めて食べさせてもらっていた。

もぐもぐ。

砂糖不使用なのに、ほのかな甘みがして、びっくりするくらい美味しい。

もう何を食べても美味しい。

まともに食べるの、凄く久し振りな気がする。

久々に満たされたお腹が、喜びを訴えてる。

お腹いっぱい食べられるのって、幸せなことだったのね。

そんなことを実感しながら、私はクッキーを咀嚼していた。

「もうこんなことは御免ですからね。ダイエットは控えてくださいよ」

うっ…。

「それは…でもさぁ。少しでも、痩せ…」

「体育の授業中にぶっ倒れるくらいなら、痩せなくて良いです」

そ、そうは言うけど。

「大体、これまでが異常だったんですよ。コンビニスイーツ週5って」

「そ、それは言わないでよ」

「そのコンビニスイーツを、せめて週2にするだけでも充分痩せるのでは?限度ってものが分かってないんですよあなたは。限度ってものが。限度って意味知ってますか?辞書貸しましょうか?」

結月君の毒舌が止まりません。

「そ…そんなに言わなくても良いじゃない…」

「言いますよ」

と、結月君はきっぱり言った。