星と月と恋の話

「私は平気よ、結月君」

「全然平気じゃないですから。とにかくスムージーだけは飲んでください」

「大丈夫、大丈夫。一食くらい抜いても、何の支障も…」

「支障ありまくりですから。はい」

「ぐぶっ」

無理矢理、スムージーの入ったボトルを口に押し付けられた。

ごくごく。

何これ、結構美味しいじゃない。

砂漠のど真ん中で飲む水のような、滋養に満ちた味がする。

こんなの自分で作れるなんて、さすが結月君。

製品化して売れば良いのに。

「全部飲んでくださいね。そしてクッキーを食べてください。…何なら、購買で何か買ってきましょうか?」

「要らない、要らない。食べる気にならないんだもの」

「本当に食べなきゃ駄目ですって。あなた今、餓死寸前ですよ」

全く結月君ったら、ちょっとダイエットしただけで大袈裟なんだから。

「別に痩せなくても、唯華さんは元々美人なんだから…。ダイエットなんて必要ないのに…」

「…ふーん…」

ごくごく。

「…前も言ったかもしれませんけど。僕は、あなたが少々太ったところで…そんなことで、嫌いになったりはしませんよ」

「…あ、そう…」

ごくごく。

ごくん。

「はい、飲み切ったわよ」

「ありがとうございます。それはそれとして、クッキーは如何ですか」

「そっちは遠慮しておくわ」

さっきスムージーを飲んだから、栄養補充は完璧よ。

…私はこのとき、頭がボーッとしていたせいで。

結月君が、滅多にお目にかかれないお宝台詞を連発していたことに、全く気づいていなかったのだった。

全く惜しいことをした。

しかし私は、それどころではなかったのだ。

何せ。




その後、午後に行われた体育の授業で、貧血を起こして倒れるほど…身体が弱ってしまっていたのだから。