星と月と恋の話

「私は、私の決めた食事メニューしか食べないわ」

「えぇ…。どれだけ頑固なんですか。野菜なんだから良いじゃないですか」

「駄目よ。野菜だからって、いくら食べても良い訳じゃないの」

野菜だって、食べ過ぎれば身になるんだから。

「でも唯華さん、最近食べなさ過ぎでしょう。コンビニスイーツも食べてないんでしょう?」

「勿論、食べてないわよ」

コンビニに行くと、絶対誘惑に負けてしまうから。

最近は、コンビニに行かないことによって、誘惑を断つことにしてる。

そもそもコンビニに行かなければ、うっかり買ってしまうこともないしね。

最近は便利よ。コンビニに行かなくても、通販で何でも買えちゃうし。

しかも、通販にはコンビニスイーツなんて売ってないのよ。

なんて素晴らしいのかしら。

…って、私は何を考えてるの?

思考が支離滅裂になってる気がする。

「スイーツを我慢してるなら、他のものは食べても良いと思いますよ。本当に。いきなり減量し過ぎですよ」

「別に平気よ」

「でも、このままじゃいつか倒れるかも…。大体、そんなに急激に体重を減らしたら、いずれリバウンドを…」

「それをしないように励ますのが、インストラクターの仕事じゃないの」

「…」

野菜だろうと、スイーツだろうと、私が誘惑に負けないように見張ること。

それが、インストラクター結月君の役目よ。

「作ってきてもらって悪いけど、私は食べないわ」

「…そうですか…」

早いところ片付けて、その身体に毒な良い匂いを消して頂戴。

私はいつも通り、キャベツを咀嚼し始めた。

何だかもう、毎日キャベツを食べ過ぎて。

キャベツの味を感じなくなってきた気がするわ。