星と月と恋の話

「…星さん」

「…何よ」

「…えぇと…。…大丈夫ですか?」

「えぇ、何も問題ないわ。大丈夫よ」

結月君は、私の目と私の手元を交互に見つめ。

そして、もう一度尋ねた。

「…大丈夫ですか?」

何度聞くのよ。

さっき答えたでしょ。

「大丈夫よ」

「そ…そうですか…」

…何よ。その顔は。

「言いたいことがあるなら、はっきり言って良いのよ」

何か言いたいことがあるんでしょう。その顔は。

遠慮なく言えば良いじゃない。私は怒らないわよ。

「そ、そうですか…。じゃあ、はっきり聞きますけど…」

結月君は、そう前置きして。

私の手元のランチボックス…透明なタッパー…を指差した。

「…それ、どうしたんですか?」

「…良い質問ね」

良いわ。じゃあ教えてあげましょう。

本日の、私のランチメニューを。

タッパーいっぱいの、キャベツの千切り(ドレッシング無し)。

…以上。

それ以外は、水筒が一本。

中身は、ダイエットに効くというごぼう茶。

通販で買ったのよ。

「ダイエットメニューよ」

「キャベツだけじゃないですか」

「ダイエットメニューだからね」

白米は糖質の塊。

ダイエットには厳禁よ。

私はもう、朝食と昼食に白米を食べるのをやめたわ。

白いご飯を食べて良いのは、夕食だけ。

それもおかわりはなしで、茶碗に小盛りいっぱいのみ。

そう決めたのよ。

「いや、でもそれだけじゃ…。うさぎじゃあるまいに…」

養豚場の豚から、うさぎに昇格。

うさぎなら可愛いから良いわよ。

「…あ、そうか。朝食ですね?朝食をしっかり食べてきたから、お昼は控えめに…」

よく聞いてくれたわね。

「朝ご飯は、バナナ一本とヨーグルトよ」

「えっ…。それだけですか?」

「えぇ、それだけよ」

「…食パンとかは?シリアルとか…」

「そういうものは太る原因だから、食べないわ」

今日からは、朝ご飯のメニューも一新したわ。

朝バナナダイエット、って奴よ。

ちなみに飲み物は青汁よ。

うち、お父さんが定期的に通販で青汁を買ってるから。それをもらったのよ。

初めての青汁に、思わず涙が出そうになったけど。

ちゃんと耐えて、グラスいっぱいの青汁を飲み干したのよ。

我ながら、凄く偉いと思うわ。