星と月と恋の話

「ダイエットしてる割には、めちゃくちゃ食べてるじゃないですか」

と、結月君は衝撃的なことを言った。

「食べてないわよ」

「でも、週に3回から4回も、コンビニスイーツ食べてるんでしょう?」

それは…。

…うん。

「そんなことしてたら、そりゃ痩せませんよ」

グサッ。

「一気にお菓子断ちしろ…とまでは言いませんが、週1か…せめて週2くらいに抑えないと…」

「こ、コンビニスイーツを週に2回しか食べられないの…!?」

「あなたはコンビニスイーツ業界の回し者なんですか?食べ過ぎでしょ」

結月君の、容赦のない毒舌が突き刺さる。

そ、それは…。

私だって、我ながらコンビニスイーツの虜になっていることは自覚してるけど…。

「私が悪いんじゃないわ。…コンビニスイーツが悪いのよ」

「はい…?」

「コンビニに立ち寄る度に、見てみたくなるじゃない。スイーツコーナー。そうしたら、いつ行っても新発売のスイーツが置いてあって…」

「…」

「しかも、コンビニスイーツが入れ替わる周期は短いのよ。2週間も経ったら、大抵新商品に入れ替わってるんだもの。今食べなかったら、生涯で二度と食べられないかもしれないのよ?」

「…」

「しかも、値段も手頃なのよ。丁度手を伸ばしたくなる値段なの」

大体、一個200〜300円で。

高くても、500円もしないのよ?

ワンコイン未満で買える、至福の時間。

そんなお手軽で、しかも美味しいスイーツが目の前にあったら。

ついつい手を伸ばしてしまうのが、人間の性というものだと思うのよ。

しかも、Twittersやインステをやってると。

新作スイーツの情報が、毎週律儀に私の手元に流れ込んでくるのよ。

今週はこんなスイーツが出るよ!みたいな。

わざわざ、そんなお知らせまでもらってしまったら…無視することなんて出来ないでしょ?

私、何か間違ったこと言ってる?

と、結月君に言ってみたところ。

「…間違ってはないのかもしれないけど、頭は悪そうですね」

と、真顔で一刀両断された。

その場に崩れ落ちかねないほどの、痛烈な一撃だったわ。

…結月君。

今のは…今のは痛かったわ…。