星と月と恋の話

その日の放課後。 

今日は、結月君と一緒には帰らない。

何故なら、今日は部活の日だからだ。

たまには部活にも真面目に出ないと。

…すると。

「大丈夫?星ちゃん。お腹痛くなってない?」

海咲が、私にそう声をかけてきた。

…?

「何でお腹が痛くなるの?」

「だって、お昼にあんなもの食べてたから」

あんなもの…?

私のお弁当のこと?

冷凍食品は入っていても、怪しいものは入ってないわよ。

「あんなものって、どんなものよ」

「ほらぁ、例の…三珠クンの手作りおはぎだよ」

結月君のおはぎ?

「美味しかったわよ。何でお腹痛くなるの?」

「だって、あの三珠クンの手作りおはぎだよ?わざわざ学校にまで作って持ってきたんだよ?」

「?それが何?」

「絶対、何か怪しいものが入ってるに決まってるって」

…何、それ。

何で結月君が学校におはぎ持ってきたら、怪しいものが入ってることになるのか、さっぱり分からないんだけど。

一体どういう思考回路よ。

「怪しいものって何よ。何も怪しくないわよ」

ちゃんと美味しかったわ。

そもそも私、結月君の手作り料理を食べるの、今日が初めてじゃないんだもの。

これまでも何度も、結月君の手作り料理をご馳走してもらったことがあるわ。

いつも美味しい。

不味かった試しがない。

食べた後で、お腹の調子が悪くなったこともないわよ。

結月君と来たら、熟練主婦なんだから。

私のお母さんより、断然料理上手なくらい。

「何でそんなに疑うのよ?」

「いや、だってさぁ…ねぇ?」
 
海咲は、真菜に同意を求めた。

「うん…。ちょっとね…」

真菜も真菜で、この反応。

二人が何に意気投合してるのか分からない。

「ちょっと何よ?ハッキリ言ってよ」

もやもやするじゃない。

すると。

「だって、三珠クンが素手でこねくり回した食べ物だよ?気持ち悪くない?」

は?

「うん。ゴム手袋とかしてたとしても、気持ち悪くて無理だわ」

「有り得ないよねー。星ちゃん、よく抵抗なく食べられるよ」

「私だったら吐き気がして食べられないわ」

…はぁぁぁ?

友達だと思っていたはずの二人が、全く理解出来なかった。