星と月と恋の話

「?何、どうしたの星ちゃん」

「何か用?」

「こっち来て、こっち」

私は二人に手招きをして、こちらに呼んだ。

訝しんだ様子で、二人がやって来た。

ようこそ、結月君食堂へ。

「これ食べてみて」

「何これ。おはぎ…?」

「そうそう。結月君が作ってきてくれたのよ」

私が、我が事のように自慢げに言うと。

「え?」

二人共驚いた顔をして、私を見つめていた。

そうでしょ、驚くわよね。

洋菓子ならともかく、和菓子をここまで上手に手作り出来る人なんて、なかなかいないもの。

ましてや、こんなお店で売ってるような美味しそうなおはぎ。

なかなかお目にかかれないわよ。

「結月君たくさん作ってきてくれたから、お裾分けして良いって。食べてみて」

私は、二人にもおはぎを勧めた。

これは食べておかないと損するわよ。

きっと二人も喜んで、おはぎを食べてくれるはず。

いつも私が、コンビニやショッピングモールのお菓子屋さんで、美味しいお菓子を見つけたら。

二人共興味津々で、喜んで食べてくれるから。

…しかし。

「これ、三珠クンが握ったの?…素手で?」

真菜が、怪訝そうな顔をしておはぎを指差した。

「え?は、はい…。でも、あの、ちゃんと、よく手を洗ってから作ったので…」

「ふーん…。でも、悪いけど…他人が握ったおはぎはちょっと食べられないわ」

真菜はドン引きの様子で、そう言った。

えっ…。

「真菜って…そういうの気にするタイプだっけ?」

他人の握ったおにぎりは食べられないとか、そういうタイプだった?

いつも一緒に出かけたとき、ドリンクでもおやつでも、何でもシェアしていたから。

そういうのはあまり気にしないものだと…。

「いや、そうじゃないけど…。…三珠クンの手作りは、ちょっと無理」 

「…」

これには、私がポカンとしてしまった。

…結月君の手作りが無理って、それどういう意味?

…しかも。

「私も要らないわ。手作りおはぎなんて、貧乏臭くて食べられない」

海咲まで、とんでもない理由で結月君のおはぎを断った。

…ちょっと、言ってることの意味が分からない。