星と月と恋の話

迎えた第2レース。

ステージを変えて、もう一勝負。

「良い?結月君、逆走するんじゃないのよ」

「え?逆走?」

「さっき逆走してたじゃないの」

まさか、自覚なかったの?

「あ、あれ逆走だったんですか?」

まさかの無自覚。

駄目だわ。自分がどの向きで走ってるのか理解してない。

「とにかく、真っ直ぐ進むことをイメージして」

「真っ直ぐですね、真っ直ぐ、真っ直ぐ…」

よーいスタート、で走り出し。

私は自分のプレイ画面で、恐ろしい光景を目にした。

直進した結月君のカートが、猛スピードで曲がり角に直撃。

大事故よ、大事故。

「曲がり角では曲がろうよ!」

「真っ直ぐって言ったじゃないですか…!」

「言葉の綾よそれは!ほら曲がって!ハンドル回して!」

「え、えぇと、えぇと…」

ぐるぐるぐる、と右に左に、ハンドルを回す結月君。

どうして君は、左にハンドルを回したら、同じだけ右にハンドルを回すの?

それじゃあ、もとに戻っちゃうじゃない。

闇雲に動かせば良いってものじゃないでしょうよ。

しかも、そこに。

「あ、痛いっ!」

結月君のカートに、CPUの投げた甲羅が直撃。

その衝撃で、またしてもカートをが後ろを向いてしまう。

そこに結月君が、またフルスロットルでアクセルを踏んでしまうから。

再び、結月君のカートは爆速で逆走していた。

あーあ…。

もう、踏んだり蹴ったり…。

危険運転常習者よ。

私、もう見なかったことにするわ。自分のレースに集中するわね。

私の手には負えないわ。このレベルは。