星と月と恋の話

…一曲目が、無事に終了。

私は惜しくも三、四回ミスをして、フルコンボを逃してしまったけど。

ノルマクリアは難なく達成。

ふぅ、良かった。

で、結月君は…。

「…」

灰色の画面。ノルマクリア失敗、の文字。

…うん。何となく分かってたわ。

「…結月君…」

「おかしい…。ちゃんと叩いたのに…認識してくれないんです」

太鼓のせいにしないであげてちょうだい。

悪いのは太鼓じゃないわ。君よ。

しかも、スコアをよく見たら。

8割くらいがミスで、残りは可。

まさか、適当に、デタラメに叩いたんじゃないわよね?

いくら初心者にしたって…。

…まぁ、でもしょうがないわ。

難易度「普通」だったんだもの。初心者にとっては、充分難しいわよね。

えぇ、そういうことにしておいてあげるわ。

「切り替えて、結月君。それでも二曲目は選べるわ」

もう一曲遊べるドン、って。ほら。

優しいわねこの子。

「え、まだあるんですか?」

「あるわよ。次は何が良い?」

「…さっきのリベンジ?」

またさくらなの?

「曲は変えましょうよ…」

2連続『さくらさくら』って。渋い趣味の高校生だと思われるわよ。

折角、こんなに色んな曲があるんだから。

ノルマクリア達成出来るか否かより、このゲームそのものを楽しみましょう。

その方が大事よ。

「え、じ、じゃあ…何にしましょう…?」

「結月君、この中で他に知ってる曲は?」

「えーと…。…ジングルベルですかね?」

「…季節外れ…」

あなたね、今1月よ?

まぁ良いわ。知ってる曲があるなら、それにしましょう。

2連続童謡とは。

じゃ、ジングルベルを選択っと…。

私の難易度は…この曲、ちょっと難易度高めだけど。

ここはチャレンジして、さっきと同じ、難易度「難しい」に挑戦してみよう。

私の腕の見せ所よ。

私にも得意なことがあるんだって、結月君に見てもらいたい気持ちもある。

ゲームが得意でも、あまり自慢にならないかもしれないけど…。

「結月君、今度こそ難易度『簡単』にするのよ」

「は、はい…」

これで、ぎりぎりノルマクリア達成出来るかも知れないわ。

じゃ、二曲目頑張りましょう。