星と月と恋の話

…何だか。

「嵐が過ぎ去ったかのような気分ね…」

そして、その嵐の後に残ったのは。

白猫ちゃんが二匹と、黒猫ちゃんが一匹。

図らずも私、千円を費やして、三体のぬいぐるみをゲットしてしまったわ。

と言うか、自分でゲットしたんじゃなくて、寄付してもらったんだけど。

これ全部、久露花さんの功績よね。

「凄かったわね、久露花さん…」

噂には聞いていたけど…色んな意味で凄い人だったわ。

本当にアンドロイドなんじゃないかとさえ思ったわ。

そんなはずないのに。

「凄かったですね…。まさに神業でした」

「えぇ。あの瞬間においては…結月君より断然頼もしかったわ…」

「…今のは、かなりグサッと来ましたよ…」

そう。それは悪かったわね。

でも事実だから。仕方ないわね。

…それにしても。

「三体もぬいぐるみもらっちゃったわ…どうしよう」

黒猫一匹狙いだったのに。

あ、そうだ。

「折角だから、結月君にもあげるわ」

「え、ぼ、僕ですか?」

「うん。私が欲しいのは黒猫だけだったから…。はい、白猫どうぞ」

「ど、どうも…。って、僕がもらってもしょうがないんですが…」

だってしょうがないでしょ。久露花さんが取ってくれたんだから。

有り難く受け取らないと。

…で、もう一匹の白猫はどうしよう。

「真菜か海咲にでもあげようかな…。でも、二人共このキャラクターには興味ないのよね…」

「そうなんですか…。僕も興味ないですけど…」

悪かったわね。

「あ、そうだ。じゃあ、そのもう一体も僕がもらって良いですか?」

え?

「良いけど、今興味ないって言ったじゃない」

「僕は興味ないですが、知り合いに小さい女の子がいるので…。その子にあげたら喜ぶかなと思って」

あ、そうなの?

それは、思わぬ朗報。

「そうだったのね。じゃ、折角だからその子にあげて」

と、私はもう一匹の白猫も、結月君に手渡した。

喜んで受け取ってくれそうな人がいるなら、その人の手に渡るのが一番だわ。

ましてや小さい子なら、なおさら。

「ありがとうございます。遠方に住んでるので、郵便で送ることになると思いますが…。渡しておきます」

「えぇ、そうして」

思わぬプレゼントだけど、喜んでもらえると良いわね。

久露花さんが取ってくれたぬいぐるみ、無駄にならなくて良かったわ。

久露花さんって、中二病だとか電波ちゃんだとか言われて、あんまり良い噂は聞かなかったけど…。

でも、こんな意外な特技があって、会ってみると案外良い人っぽかったわね。

人は見かけに寄らないって、あれは本当だ。

久露花さんにしても、結月君にしても。

最近、切にそのことを実感するわ。