星と月と恋の話

それなのに、真菜から返ってきた返事は。

『えぇ?そんな深刻に考えなくても…』

…。

…親友だと思っていたのは、どうやら私だけだったようね。

真菜は他人事だから、そんな軽口が叩けるのよ。

当事者になってみなさい。

「…薄情者…」

『ま、まぁまぁ。まだ付き合いたてなんだし、最初は、誰でもそんな感じじゃない?』

付き合いたてで、あんな気まずい会話しか出来ないカップルなんて、すぐ破局だよ、破局。

そりゃ、三ヶ月後には破局する運命なんだから別に良いけど。

でも、その三ヶ月の間が苦痛なんだよ。

「真菜だったら、どんな会話する?」

『うーん…。私、三珠クンのことなんて、これっぽちも知らないからなー』

「私だって、知らないわよ」

彼とまともに会話したのだって、今日が初めてなんだから。

『じゃあ、色々尋ねてみたら?質問攻めして』

と、真菜は提案した。

質問攻め?

『好きな芸能人とか、好きな食べ物とか、好きなテレビ番組…はないんだっけ。週末はどんなことして過ごしてるの、とか』

「…成程…」

なんかそれ、お見合いみたいね。

でも私も結月君も、まだお互いのこと知らないんだし。

お互いを知るという名目で、色々質問攻めしてみるのは良いかも。

少なくとも、話題には困らないよね。

良かった。真菜はまだ私の親友だった。

「ありがと。試してみる」

『よしよし、頑張れよー星ちゃん。三ヶ月後のパフェをお楽しみに』

それはもう、勿論。

特大パフェを、ドリンク付きで頼むから宜しくね。