「それに、どうせ来年度になったら、クラス替えもありますし」
僕は、クラス替えに期待しているのだ。
こんなにも、クラス替えに期待したのも初めてかもしれない。
別に、誰と同じクラスでも構わないと思っていたけど。
今回ばかりは、希望票があるなら書いて提出したいくらいだ。
何が何でも、星野さんとは別のクラスにしてください、って。
クラスが離れてしまえば、お互い目を合わせることも、顔を合わせることもない。
完全にフェードアウトしてしまえる。
お互いにとって、その方が良いんじゃないかと思う。
星野さんだって、自分にあんな屈辱を味わわせた相手の顔なんて見たくもないだろう。
僕だって、星野さんの顔は見たくない。
だって顔を見たら、絶対にあの泣き顔を思い出すだろうから。
「別のクラスになれば、それで一件落着ですよ」
「そうか…。しかし裏を返せば、クラス替えで別々になれなかったら、あと一年は引き摺ることになるな」
嫌なこと言わないでくださいよ。
僕は、今学期いっぱいのつき合いだとたかを括ってるんだから。
これで来年度も同じクラスだったら、目も当てられない。
そういう嫌な予感って、大抵当たるから嫌なんだよ。
…とはいえ。
同じクラスだろうと、別々のクラスになろうと、やることは変わらない。
僕はもう、星野さんと関わりは持たない。
こちらから話しかけることはない。
授業に必要なことは話すだろうけど、それだけだ。
それだけ。
もう、それだけで良い。
「僕はどういう態度で接するか、決めてます。向こうがどういうつもりかは知りませんけど」
「…それで良いのか?」
「他にどうするんですか?」
あのときはごめんね、って謝れば良いって?
馬鹿らしい。
謝罪なんて僕はする気はないし、向こうもそんなことは望んでいないだろう。
そう、彼女が望んでいるのは、僕と同じことに違いない。
お互い、早くこの三ヶ月の日々を忘れることだ。
何もなかったことにしたいだけだ。
例え師匠の言うように、完全にリセットすることは出来ないのだとしても。
「壊れてしまった瓶は、もとには戻せないんだから…」
星野さんが瓶を落とし、僕がそれを粉々にした。
だから、もう戻らない。
あれで終わったのだ。そういうことにしておきたい…。
だってそうしないと、また傷つくだけだ。お互いに…。
僕は、クラス替えに期待しているのだ。
こんなにも、クラス替えに期待したのも初めてかもしれない。
別に、誰と同じクラスでも構わないと思っていたけど。
今回ばかりは、希望票があるなら書いて提出したいくらいだ。
何が何でも、星野さんとは別のクラスにしてください、って。
クラスが離れてしまえば、お互い目を合わせることも、顔を合わせることもない。
完全にフェードアウトしてしまえる。
お互いにとって、その方が良いんじゃないかと思う。
星野さんだって、自分にあんな屈辱を味わわせた相手の顔なんて見たくもないだろう。
僕だって、星野さんの顔は見たくない。
だって顔を見たら、絶対にあの泣き顔を思い出すだろうから。
「別のクラスになれば、それで一件落着ですよ」
「そうか…。しかし裏を返せば、クラス替えで別々になれなかったら、あと一年は引き摺ることになるな」
嫌なこと言わないでくださいよ。
僕は、今学期いっぱいのつき合いだとたかを括ってるんだから。
これで来年度も同じクラスだったら、目も当てられない。
そういう嫌な予感って、大抵当たるから嫌なんだよ。
…とはいえ。
同じクラスだろうと、別々のクラスになろうと、やることは変わらない。
僕はもう、星野さんと関わりは持たない。
こちらから話しかけることはない。
授業に必要なことは話すだろうけど、それだけだ。
それだけ。
もう、それだけで良い。
「僕はどういう態度で接するか、決めてます。向こうがどういうつもりかは知りませんけど」
「…それで良いのか?」
「他にどうするんですか?」
あのときはごめんね、って謝れば良いって?
馬鹿らしい。
謝罪なんて僕はする気はないし、向こうもそんなことは望んでいないだろう。
そう、彼女が望んでいるのは、僕と同じことに違いない。
お互い、早くこの三ヶ月の日々を忘れることだ。
何もなかったことにしたいだけだ。
例え師匠の言うように、完全にリセットすることは出来ないのだとしても。
「壊れてしまった瓶は、もとには戻せないんだから…」
星野さんが瓶を落とし、僕がそれを粉々にした。
だから、もう戻らない。
あれで終わったのだ。そういうことにしておきたい…。
だってそうしないと、また傷つくだけだ。お互いに…。


