星と月と恋の話

…その日は加賀宮さんに事の次第を説明して、それで少し落ち着いて。

それから翌日は、年末の大掃除をしたり、お餅をついたり(機械で、ですけど)、冬休みの宿題をしたり。

放っておいたら、確実に大掃除なんてしないまま新年を迎えるに違いない師匠の為に。

再び師匠のもとを訪ねて、年末の大掃除を手伝ったり、お餅をお裾分けしたり、もう一回ぶん投げてもらったりと。

何だかんだ、余計なことを考えずに済むよう、あれこれしていたら…いつの間にか年末が来て。

自作の天ぷらを乗せた年越しそばを食べてたら、あっという間に年が明けた。

新年、あけましておめでとうございます。

年が明けたとは言っても、僕自身に大した変化がある訳でもなく。

精々、近所の神社に初詣に行ったきり。

僕に届いた年賀状は、驚異の一枚。

誰かと言うと、加賀宮さんの奥さんからだった。

今年だけじゃなくて、毎年くれてる。

母は仕事の繋がりで、あちこちから年賀状来るんだけど。

僕は毎年、加賀宮さんの奥さんの一枚きり。

お嬢さんの写真付きで、あーいつの間にか大きくなってるなぁ、と近所のおばさんみたいなことを考えていた。

で、その奥さんのとお嬢さんだけど。

年が明けた二日目に、着物の採寸の為に、我が家を訪ねてきた。






「こんにちは。あけましておめでとう、結月君」

「あけましておめでとうございます。どうぞ、お入りください」

親子三人で、加賀宮さん一家が訪ねてきた。

師匠はともかく、奥さんとお嬢さんに会うのは一年ぶりだ。