星と月と恋の話

さて、お次は。

私がリクエストした、小動物エリアにお邪魔する。

さっきまでの動物に比べたら、ここはまさに天国だった。

「うわぁ〜、可愛い〜!」

「本当だ。あ、見てあのリス。口の中いっぱいだぁ」

真菜が指差す先には、可愛いリスが口の中をいっぱいにして、もぐもぐと何かを食べている。

何だろう。やっぱりくるみ?

こうよ、やっぱり動物園はこうじゃなくちゃ。

確か私、小さい頃両親と来たときも、こうやって小動物エリアで騒いでた気がするわ。

三つ子の魂百まで、って奴なのかもしれない。

だって可愛いじゃない?

「可愛いかぁ…?ネズミみたいなもんじゃん。女子って分かんねぇ」

「まぁまぁ、良いじゃん。楽しんで見てるんだから」

正樹と隆盛の男子ペアは、この小動物の可愛さに全く気づいていないらしい。

この可愛さが分からないなんて、あんた達は可哀想ね。

でも、結月君なら。

「ね、結月君。可愛いわよね?」

「えっ。はいっ?」

ちょっと。何ぼけーっとしてるの。

折角の初動物園なんだから、しっかり楽しまないと。

「可愛いと思わない?小動物」

「あ、は、はい…。可愛いですね…うさぎとか…」

ほら、結月君は分かってる。

そう、それで良いのよ。

そういえば、うさぎって、たまに浴衣の柄にもなってるから。

結月君にとっても、実物を見るのは興味深いのかもしれないわね。

「あ、見て星ちゃん」

海咲が、とあるポスターを指差した。

「ん?何?」

「10時半から、小動物触れ合い体験コーナーがあるって」

何ですって?

海咲の指差すポスターを、よくよく読んでみると。

先着10名様で、小動物と直接触れ合うという体験コーナーが開かれるらしい。

何それ。楽しそう。

「隆盛、今何時?」

「えぇと…10時15分だな」

あと15分じゃないの。ナイスタイミング。

「え、まさか体験コーナーに参加するつもりなのか?」

「?そうだけど」

だって、折角の機会よ?

こんなに可愛い動物に、直接触れる機会なんて。

動物園にでも来なきゃ、絶対経験出来ないわ。

「それに、禁止されてはいないでしょ?園内では自由行動だし…」

「そ、それはそうだけど…。でもそういうのって、ちびっ子が優先なんじゃないのか?」

あ、そうか…。

まぁ、そうね。小さい子を差し置いて、高校生が陣取るのは大人気ない。

…けど。

「待ってみるだけ、ここで待ってみようよ。小さい子が来たら、その子達に譲ってあげれば良いし」

もし、小さい子が思ったより集まらなかったら。

そのときは、私達が参加しても良いんじゃない?

「良いじゃん、楽しそう」

「私も参加したい」

真菜と海咲は、私と同じく乗り気。

そんな女子三人の様子を見た、正樹と隆盛は。

「はぁ…しょうがねぇなぁ」

「ま、この後見たいものもないしな…。待つだけ待ってみるか…」

そうそう、それが良いわよ。

10時半が待ち遠しいわね。