星と月と恋の話

その後、残りの食材を買う為に、私はスーパーをぐるっと一回りした。

結月君、凄いんだよ。

私が「パン粉って何処にあるんだろう」って言ったら。

「あ、パン粉ならこっちですね」と、すかさず案内してくれる。

「ナツメグ…って何だろう?果物?」って私が聞けば。

「スパイスの一種ですよ。こっちにあります…。このパウダータイプが使いやすいですよ」と、案内してくれる。

私が「あ、バター見つけた。買わなきゃ」って言ったら。

「それは料理用の有塩バターなので。チーズケーに使うなら、こちらのケーキ用の無塩バターにしましょう」と、説明してくれる。

君は店員さんか?

いや、多分私が馬鹿過ぎるだけ。

買い物慣れしていないにも程がある。

洋服やコスメの買い物なら、しょっちゅう行く癖に。

食料品店の買い物なんて、小学校低学年の頃、お母さんについていったとき以来なものだから…。

「本当、結月君がいてくれて助かったわ…」

買い物を終えて、私はしみじみとそう言った。

どれだけ手伝ってもらったことか。

これじゃあ、どっちが買い物係なのか、分かったものじゃない。

「いえ、僕は大したことしてませんよ」

大したことしてるわよ。

結月君がいなかったら、私、とんでもなく見当外れなものを買っていたか。

店員さんを質問攻めにして、大迷惑なお客さんになっていたことだろう。

それなのに、結月君は謙遜した上で。

「荷物、半分持ちますよ」

そう言って、私の手からスーパーの袋を取った。

え。

「そんな、私が持つわよ」

「いえ。牛乳入ってるから重いでしょう?僕が持ちます」

そのまま結月君は、私の買い物袋を持ったまま歩き出した。

うわぁ、荷物まで持ってもらっちゃって…。

「ごめんね、本当…ありがとう。助かったわ」

「いいえ、気にしないでください」

結月君。君はあれだ。

前世、お坊さんか何かだったのではないかと思う。