星と月と恋の話

「今回使うのは、バラ肉じゃありませんでした?こっちの…」

「あ、そ、そういえば…」

よく見たら、こっちは豚小間切れ、そっちは豚バラ、って書いてある。

…どう違うの?

値段は違うけど、見た目はそんなに変わらないような…。

「豚バラ肉は豚のお腹の肉で、豚小間は、色んな部位の切り落としなんですよ」

と、結月君が教えてくれた。

へー…そんな違いが。

どっちも大して味は変わらないんじゃないかな、と思ったけど。

レシピには豚バラ、って書いてあるんだし…豚バラにしよう。

「あ、手羽元が4割引…安いですね。買っておこう…」

そしてまたしても、結月君が買い物上手なことをしている。

割引シールに目敏い。

まさに、熟練の主婦。

「今日のお夕飯、コロッケなんじゃなかったの?何だか色んなもの買ってない?」

安いからって買い溜めして、結局高く付く、なんてことにならない?

と、思ったけど。

「あ、はい。今日は使いませんけど、冷凍しておいて後日使うので…。それに、今日は卵を買うつもりなので」

「…たくさん買い溜めすることと、卵を買うことに何の関係があるの?」

「千円以上お買い上げで、卵が98円なんです」

さすが、結月君の方が遥かに上手だった。

そうか…そういう事情が…。

じゃあ、千円以上買っておかないと損だね。

「それに、今日はお肉、お魚のサービスデーなので、ポイントがよく貯まるんです」

完敗。私は完敗した。

買い物の熟練度が私とは段違い。

スーパーのポイントカードなんて、私、持ってすらいない。

そっか。度々買い物に来る人は、ポイントカード作ってるもんね。

「結月君のあまりの買い物上手っぷりに…私は脱帽したよ」

「か、買い物上手って…。大したことしてませんよ…」

結月君がいなかったら、私。

多分、未だに里芋を探して、周辺のスーパーをうろうろしてたに違いない。

結月君と一緒に買い物に来て、本当大正解だった。