星と月と恋の話

「どうしよう…。この近くに、他のスーパーあったっけ?でも、里芋だけ買いに行くの面倒だな…」

そのスーパーで、上手く見つかれば良いけど。

最悪、里芋を探して三千里、って事態にもなりかねないよね。

うぅ、それは嫌だ…。

「それならいっそ『ナマの里芋は見つかりませんでした』ってことで、冷凍野菜の里芋を買ってはどうですか?」

と、結月君が提案した。

え、冷凍野菜?

「冷凍の里芋なんて売ってるの?」

「ありますよ。最近は便利ですからね。大抵のカット野菜なら、冷凍食品コーナーに置いてます」

へぇ〜…生活の知恵。

普通の生野菜を買ったら、腐る前に急いで使わなきゃならないけど。

冷凍なら、一度買って冷凍室に入れておけば、好きなときに好きなだけ使えるもんね。

それは便利だ。

「まぁ、その分割高だし、量も少ないですけど…。でも今回は、元々少ししか使わないんだから、里芋くらい冷凍モノを使っても怒られないと思いますよ」

「だよね。見つからなかったから冷凍を買ってきた、って言い訳しよ」

「丁度良かったと思いますよ」

え?

「丁度良いって、何が?」

「生の里芋って、皮が分厚くて、ピーラーで剥くの大変なんです」

そうなの?

じゃがいもみたいに、するんと剥けるものだとばかり。

「僕はいつも、包丁で桂剥きするんですけど…」

…ごめん、桂剥きって何?

それすら知らない。恥ずかしい。

知らないけど、知ってる振りして頷いておこう。

「そ、そっか…。そんな難しい包丁さばき、真菜には出来ないだろうし…やっぱり里芋は冷凍のものを買おうか」

「はい、それが良いと思います」 

後で、冷凍コーナーで、カット野菜のラインナップを見せてもらったけど。

確かにいっぱいあって、これは便利だなぁと思った。