星と月と恋の話

さて、スーパーに到着。

「えぇと…。必要なものは…メモに取ってきたはず…」

ごそごそ、と鞄の中を探る。

メモは何処だ、メモは。

あ、あったあった。

「まずは、えぇと…クリームチーズと牛乳…」

「乳製品はこの奥なので、先に野菜から買うと良いですよ」 

そうなんだ。

何でか知らないけど、大抵スーパーって、野菜売り場が入口近くにあるよね。

これって、何か意味があるのかなぁ。

「じゃあ、野菜から…じゃがいもが4つと、きゅうり2本と、人参1本…」

「4つなら、お得用パックを買った方が良いですね。きゅうりと人参は、そこでバラ売りしてるので一本ずつ買えば無駄がないですよ」

「そ、そっか」

「それにしても、今日じゃがいも安いですね。玉ねぎは家にあるし…今日はコロッケにしよう」

そう言って、結月君とお得用じゃがいもの袋に手を伸ばした。

コロッケだって。わー、美味しそう。

結月君がじゃがいもを買ってる、その姿を見るだけで最早飯テロ。

「あとは、ゴボウと里芋と大根…」

「豚汁の材料ですか?」

「うん」

よく分かったね。

「いちいち全部買うの大変ですよね。こういうときは、冷凍食品で売ってる豚汁の具を買えば、全ての材料が少しずつ入ってて、安上がりで手間も省けるんですが…」

豚汁の具、っていう冷凍食品があるの?

そんなの、それ買っておけば、あとは鍋に入れるだけなのでは?

便利。

しかし。

「でも、調理実習だから…イチから作らないと、意味がないんですよね」

「だよねー…」
 
今回は、そんな便利アイテムには頼れない。

いちいち、まるまる一本のゴボウと、まるまる一本の大根を買わないといけない。

おまけに、里芋が見つからない。

「せめて、パウチのカット野菜を買えたら楽なんですけどね」

「そうは行かないよね…。仕方ない、じゃあこれ…」

と、私はゴボウの袋に手を伸ばした。

が。

「あ、星ちゃんさん、こっちの方が良いですよ」

結月君がそう言って、隣にある白いゴボウを手に取った。

「え、何で?」

「そっちは泥を流してないので。ゴボウを洗うのって結構手間なんですよ。こっちは洗ってあるので、簡単に調理出来ます」

そうなんだ。

そういえば確かに、おばあちゃんがゴボウのきんぴら作るとき。

タワシか何かで、ゴシゴシとゴボウを洗ってたような気が。

成程、こっちの白いゴボウと思ってたのは、泥を落としてたから白く見えたのね。

じゃあ、こっちの洗ってある方を買おう。

で、次に大根…っと。

「星ちゃんさん、ちょっと待った」

「へ?」

またしても、結月君ストップが入った。

今度は何事?