星と月と恋の話

なんて、話をしているうちに。
 
いつも、結月君と別れる道までやって来た。

ここまで辿り着く道のりが、段々早くなってるような気がする。

いつもならここでバイバイなんだけど…。

「今日私、買い物行かなきゃいけないから、私もそっちの道だわ」

「あ、そうですよね」

今日だけは、もう少し一緒に歩くことになるね。

と、思ったら。

「この先の…○○スーパーに行くんですか?」

「え?うん、そのつもりだけど」

「実は、僕もなんです」

えっ。

「結月君、いつもここで別れてたけど…買い物行ってたの?」

「はい。夕食作るの僕の仕事なんで…」

…マジ?

じゃあ結月君って…。

「お弁当自分で作るだけじゃなくて、夕飯も作ってるの?自分で?毎日?」

「はい」

開いた口が塞がらないよ。

お皿洗いでイキってた、数分前の自分を殴りたい。

世の中には、私と同じ高校生で、お弁当を自分で作り、夕飯も作り、家業も手伝う偉い高校生がいる。

それを初めて知った。
 
しかも結月君って、学費免除枠もらえるほどに成績も良いんだよね?

「塾…行ってるんだと思ってた…頭良いから」

「行ってないですよ、塾なんて…。行ったことないです」

塾も行ってないのに、あの成績なの?

知れば知るほど、結月君のポテンシャルの高さに圧倒される。

結月君つよっ…。

「良かったら、僕が買い物係代わりましょうか?どうせ僕は毎日買い物行ってるんで…」

「ううん…。買い物係は私だから、私が行くよ。一緒に行こ」

「…分かりました」

こうして、私は初めて。

いつも別れるはずの曲がり角を、初めて一緒に曲がった。

成程、結月君はいつもここを曲がって…買い物に行って帰ってたんだなぁ。