電話を切った後、すぐに田中くんの言葉を思い出した。
ーー新谷は止めておけよ。
その通りだよね。
今朝は勝手なことを言うものだと思ったけど、今はその言葉が身に染みる。
「新谷くんはみんなのものだと分かってたけど、本人の口から聞くとなんかへこむ…」
「私はちょっと、引いたな…遥には似合わないと思うよ」
愛ちゃんはそういう関係でいいのかも知れないけれど、遥は違うから。
「そうだねーそういえば、お姉ちゃんに土曜日の合コンに誘われてたんだった!この間は断ったけど行くしかないね」
「合コンかっ」
「千咲も行く?」
「私は遠慮しとく。よく知らない人と上手く喋れないから」
男女の出会い目的の場所は好まないけれど、それで遥が元気になるのであればいいのかな。
「そっか。あ!お昼!食べかけじゃん」
「うん、戻ろっ」
無理して笑っているように見えたから、早く素敵な人が遥の元に現れればいいとそっと願う。


