廊下でも新谷くんの話題が上がっていて、落胆の声が聞こえた。みんな衝撃を受けた様子だ。
「新谷くんって本当に人気なんだね」
「当たり前でしょ」
遥に引っ張られてA組の教室まで走った。
A組前の廊下は人だかりができていて、たぶん私たちと同じ用件だろう。
「だから、新谷はいないよ!いつも昼休みは教室いないから」
「じゃぁ、どこにいるのよ?」
「教えて!」
A組の男子生徒が教室からそう叫ぶ声を聞いて、一斉に非難の声が上がった。
遥はなにも言わず、肩を落として人だかりの一歩手前で立ち止まっている。
遥の新谷くんへの想いは、ファンとしての熱い気持ち程度に感じていたけれど、本気で恋をしていたのだろうか。
「ねぇ、遥」
「もう、いいや…」
「え?」
「お昼休みにごめんね?戻って食べよ」
「…待って、」
遥の腕を今度は私が掴んだ。
「来て」
そしてA組の人だかりを掻き分けて、校庭に出た。


