千咲のことが好きなんじゃない?
自分でもそう思ったから、遥の質問に冷静に返せた。
もしかしたらって思って、これまでのことを振り返って見たりした。
夜道は危ないからと送ってもらったり、勉強を教えると言ってくれたり、
大悟から助けてもらったり、そしてあの台詞ーー。
『千咲のことは、俺が護るから』
でも、護ると言われたらだけで、好きと言われたわけじゃない。
連絡先は交換しているものの、田中くんから連絡をくれたことはないし、好きとは違う気がする。
最初に聞いた時、彼に言われたように同じ数学係の私に親切にしてくれているだけなんじゃないかって、思うんだ。
「まぁ、仮に田中くんが千咲のことを好きだとしてさ!初恋の彼と、どっちを選ぶよ」
「それはーー、」
やっぱり遥には初恋のあの人の話をきちんとしておかないとな、と思った時、
田中くんが教室に戻って来た。
その後ろから、クラスのマドンナ的存在の佐々木 愛が登校してきた。


