必ず、まもると決めたから。


『千咲のことは、俺が護るから』


安心する言葉と共に、田中くんの顔が近付いてきて。私も、そっと目を閉じーー


「違う!!!!」



勢いよくベッドから起き上がる。

目を開ければ、カーテンから朝陽が差し込んでいた。

息を整えながらカーテンを開ける。

確かに護るとは言われたけれど、顔が近付いてくるなんて、そんな展開はなかった。私の夢よ、勝手に付け加えないでよ!


あの後、田中くんは何事もなかったかのように無言のまま駅まで送ってくれた。

聞き返せば答えてくれたかもしれないけれど、私はなにも口にできなかった。


呼び捨てにされた名前と、護るという言葉。

その2つがくるくると頭を巡り、思考回路が停止していたようだ。



最近は抱えていた仕事が一区切りしたらしくお母さんの帰りも早い。放課後に一緒に映画に行くこともできるくらい余裕のある生活になった。

その反面、田中くんと夜の時間を共有することもなくなり、数学係の時に一言二言交わすだけだ。


あの日の言葉の真意を問うタイミングはなかった。