必ず、まもると決めたから。


結局、一度も勝てずに壁にかけられた丸時計が16時50分を指した。


「あー、楽しかった!悔しいけどね!」

「また僕が教えてあげるね」

「ありがとうね、またお願いね」

「千咲ちゃん、また来てね」


全然相手にならなかった私に文句をつけるどころか色々と強技を教えてくれた海翔くんが良い子すぎて、このまま連れ帰りたいくらいだ。


反対に私がミスする度に田中くんは声に出して笑っていた。



「じゃぁ俺は千咲を送ってくるから、留守番しててな」

「え、私は…大丈夫だよ」


今、千咲って呼びましたか?
もしかして海翔くんにつられて思わず口から出たとか?

内心動揺している私を置いてきぼりにして会話が進む。


「桜誠、帰りにアイス買って来て!チョコのやつね」

「了解」

「田中くん、足痛むでしょ。見送りは平気だよ…」


しかし田中くんは何事もなかったようにお財布をスウェットのポケットにしまい、リビングを出て行ってしまった。


無理させてないかな…。