あーー小学5年生の男の子に指摘されて気付く。
男子の顔に触れるなんて、特別な関係みたいじゃん。
無意識だった。
痛そうだな、大丈夫かなって、思わず手を伸ばしてしまった。
「湿布とって」
ドキドキする私とは対照的に田中くんは冷静だ。
「あ、うん。湿布ね。彼女かあ……同じガッコで…」
救急箱を開けながら海翔くんはぶつぶつ呟いているが、田中くんは取り合わず、私を見た。
「今日は母親、何時帰り?」
「7時だと思う」
上擦った声。
勝手に触れてしまったことに今更、動揺している。
「それまで居たら。海翔の相手してくれたら助かる」
海翔くんから受け取った湿布を右膝に貼りながら田中くんはそう言ってくれた。
「いいの?」
「え?7時までお姉ちゃん、居てくれるの!」
パッと輝いた海翔くんの顔を見たら、頷く以外の選択肢はなかった。


