玄関に入ると廊下があり、その最奥の部屋に通してくれた。
テレビやソファーと、カウンターキッチンがあるその部屋はリビングだろう。物は多いが、ラックや壁掛けをするなど綺麗に片付いている。
「顔洗ってくるから、飲み物頼む」
「はぁい」
海翔くんは良い返事をして、私の手を引いたままカーペットの上に座った。
「お姉ちゃん、ここね」
カーペットの中央にはテレビゲーム機が置かれていて、そのコントローラーのひとつを渡された。
「ありがとう」
ゲームをやると?つけたままのテレビには見たことのないゲームタイトルが表示されていた。
聞くより先に海翔くんは冷蔵庫に走り、ペットポトルのお茶を取り出し、コップを3つ並べている。
「手伝おうか?」
「ううん、お客さんはおもてなししなきゃ」
可愛い。天使だよ、
田中くんにお兄さんが居ることは聞いていたけど、小学生の弟さんも居たんだね。
お茶を注ぐ姿を見守っていると、
前髪を掻き上げた田中くんが登場した。


