必ず、まもると決めたから。


今度は右腕を掴まれ、大悟から引き離された。


「嫌がってる」


「田中くん…」


少し乱暴に身体を引っ張られ、田中くんの背後に私は隠された。


どうやら大悟に捕まれた右腕を田中くんが振り払ってくれたらしい。



「あ?田中だと…」


「……」



大悟の興味が私から田中くんに移り、足元から頭までじっくりとその姿を観察する。

少し猫背気味の田中くんの背中から大悟を伺えば、田中くんに興味津々のようだ。


「へぇ、田中…」


「……」


「まさか、な。よいしょっと、」


そう口元を上げて笑った大悟は思いっきり腕を振り上げ、田中くんの頬を叩いた。


痛っ。
田中くんがよろけて、彼の背中が私の顔面に衝突した。


「田中くん!」


体勢を崩した田中くんは床に尻餅をつき、鼻から血が垂れる。

その血が、彼のワイシャツを赤く染めた。