どうしよう。
先生を呼んだ方がいいけれど、そんなことしたら手を挙げられそうで怖い。
職員室を見るが先生が出てくる気配はなかった。
その場に居合わせた生徒も逃げるように立ち去る。職員室に駆け込めば、誰がそうしたかが大悟の目に入り、次のターゲットは自分だと恐れているからだ。
遥と頭を下げることしかできない。
大悟の履き潰された上履きを見ながら、謝罪を口にするしかない。
「本当に悪いと思ってるなら、今から付き合えよ」
「え?」
「いいだろ、ちょうど退屈してたんだ」
ニヤリと大悟が笑う。
付き合えってどこへ!?
「行くぞ」
無理矢理に強い力で右腕を捕まれ、
思わず目を瞑ってしまったが、
ーーバシッ、
その拘束感からすぐに解放された。
「なんだテメェは?」
低い声が耳元で聞こえ、大悟との距離が近くなっていたことを知る。


