必ず、まもると決めたから。


最初に運ばれてきたピザをシェアしながら、今度は私の家族の話をする。


「うちは母と2人暮らしで、父は海外赴任してるんだ。外国の工場を立て直すとかで、忙しくてもう何年も会ってないなぁ。お母さんとは職場恋愛なんだって。お母さんも帰りが遅くてさ…昨日も家にひとりでいたくなくて、ふらふらしているところに、田中くんと遭遇しました。ラッキーだったよね」


「そっか」


「本当に昨日から、色々ありがとう」


田中くんは器用に具沢山のピザを食べながら頷いてくれた。


「これから勉強も教えてくれるんでしょ?これからもありがとう」


「なんだそれ」


「先にお礼を言ってもいいでしょ」


「…冷める」


2枚目を食べ終えた田中くんはピザのお皿を私の方へ移動させた。


「いただきます」


毎日学校では会えるけど、校内と校外の田中くんは別人で、今は話していたい気持ちが勝り、まだ一口も食べていなかった。