必ず、まもると決めたから。


私の返事に納得がいかないのか腕を組んだ新谷くんが、私の目線に合わせて屈む。


「なんでしょう」


目と目が合い、さっと逸らす。

美形すぎてこっちが恥ずかしくなった。

目のやり場に困り、彼の右耳についたスペードのピアスを眺める。


「君は、優しいね」

「ど、どうも…」


ぽんぽんと頭を撫でられる。


「あの、近いです」

「でも嫌じゃないでしょ」


助けを求めるように遥を見ると口元に手を当ててこの状況に衝撃を受けている。

いやいやいや、なにこの状況?
超絶イケメンと至近距離なんですけど?


私が言葉を返す前に、新谷くんは離れてくれた。


「そんじゃ、お礼はまた今度ってことで」

「はい…」


もしかして彼はみんなにこういう勘違いさせるようなことをしているのだろうか。


おい、遥。天性の人たらしって言ってなかったけ?これどう見ても故意でしょ。


「……あの、一応なんだけど、」


こちらの批判が伝わったのか遥が口を開いた。



「私も一緒にいいですか?お礼の時、一緒にいても?千咲の親友だから…」



はあああ?
思わず遥の靴を軽く踏んだ。
話を進展させてどうするのよ!