必ず、まもると決めたから。


本日、2つ目の異変だった。

前髪は眉上に切り揃えられて、目力のある黒い瞳と長い睫毛が際立っている。耳元も刈り上げられ、新谷くんとお揃いのピアスが見える。


「切ったの?」

「邪魔だったから」

「とても似合ってるよ」

「そう?」


クラス中から集められた視線を気にする様子もなく、私だけを見ながら新谷くんは席に移動した。


似合ってるどころの話じゃない。
惜しげもなく醸されたその整った顔に、クラス中の女子が釘付けだ。


根暗な男子が、実はイケメンだったなんて急展開に話を聞いていた遥でさえ口を開けて凝視している。


「うわ、田中くん変わったね!」


クラスメートのあゆみちゃんが興奮気味に手を叩く。


「というか田中くんと青山さんって親しかったけ?」


「まぁ、その…」


なんと説明すればいいんだろう。
両想いだし…。でも田中くんは冷やかしとか嫌いそうだから、内緒にしておいた方がいいのかな。


「友だ…」

「付き合ってる」


言いかけた私の言葉に上書きされた田中くんの発言にクラス中から驚きの声が上がった。


平然と言ってのけた田中くんは私の顔を見て笑いもせずに続けた。


「千咲は俺のだから」


今度は悲鳴が上がる。
思考回路が停止しかけた私はレモンウォーターを一気に飲み干して、なんとか平静を装った。
ーーつもりだった。


「顔、真っ赤」


そう言って田中くんが満面の笑みを浮かべた。

先程の新谷くんのような無邪気な笑顔に、「田中、ヤバっ」とあゆみちゃんが呟く。


顔を覆っていた髪が整えられた田中くんの破壊力はそれは言葉に言い表せないくらいヤバいんです!