必ず、まもると決めたから。


帰り道、返してもらった革ジャンを右肩にかけながら家路に着く。

京介はもう眠っただろうか。


京介はもう二度と恋はしないと鼻声で言っていた。

おまえが恋を諦めるのであれば、俺の人生にも恋人はいらない。


そんな一生を左右する誓いを立てられることは、恋を知らないからではない。だって俺は今夜、それに近い経験をしてしまったのだからーー。



再び彼女と会った時、花は咲かなくとも幸福を感じることだろう。それは"恋"なんじゃないか、って思うんだ。


京介が再び恋をしたいと思うその日まで、
俺にも恋人はいらないーーその約束を必ず、"守る"とひとり決めた。


初めて恋に触れた夜、京介に許可なく勝手に決意した。この夜の俺は、同じ境遇に居続けることが唯一、親友にしてやれることだと思ったからだ。



この時の俺は予想すらしていなかった。

それから3年後、

美山高校の合格発表のその日、校庭で喜ぶ青山 千咲の姿を見たその瞬間、「大悟から彼女を必ず"護る"」と、もうひとつの誓いを立てることになるなんて、予想すらしていなかったんだ。

ただ彼女との再会を夢見ているだけの、甘く苦い夜だった。