必ず、まもると決めたから。


途中から腕でなく、手を繋いで走った。絶対に放してはならないと、そう強く思った。

息が乱れる彼女をベンチに座らせて、1通のメールを送信した。


"いつもの繁華街に7人組の男がいて、俺と同じくらいの女の子に絡んでて助けた。今、広場にいる"



いつ仲間になにが起きても助けにいけるように兄貴の携帯の着信メロディーは爆音だから、きっと気付くだろう。睡眠の邪魔をしたら申し訳ないが、自宅から広場まで10分程度で、自転車を飛ばせばその半分で着く。

すぐに迎えに来てくれるだろうし、未成年の俺たちがこんな時間に警察に駆け込んだらそれこそ面倒なことになるから、兄貴に助けてもらう方が得策だ。


「こんな時間になにしてるの」


繁華街からは死角になるベンチに座る彼女に問う。


「…寝れなくて」


それは、俺と同じ理由だった。


「明日、お父さんの転勤でこの街を離れるの。高1になる時には戻って来れると言うんだけど、嫌だなって思って…私、転勤が多くて、学校も変わってばかりで友達もいないんだ。でも今の学校にはやっと慣れて来て、これからって時に……」


要するに不安なのだ。眠れないほどに。


「あ、ごめんなさい。初対面なのにこんなこと話しちゃって」


「別に。アドバイスとかは無理だけど、話しを聞くことはできるから」


俺には、話を聞いてあげることしかできないけれど。吐き出すことで少しは楽になるのなら、いくらでも付き合うよ。