必ず、まもると決めたから。


打ち上がる花火の音を聞きながら、大悟を見る。


「ねぇ、どうして。みんなの嫌がることをするの?」


「あ?楽しいからに決まってるだろ」


上半身を起こしながら大悟は私を睨む。


「本当はなにか違う理由があるんじゃない?落とし物を拾ったお礼にジュースを奢ってくれたり、今日だって花火がよく見える場所を教えてくれようとしてたじゃん。なにかあるなら、今すぐでなくても…話聞くよ」


「…なんも、ない」


「そっか」


彼の返事はとても弱く、理由があることは明白だった。それでも簡単に踏み込んではいけない気がして、問い返すことはできない。



「…テメェは俺に知られたくなかったから、そんなダサい格好をしてたのか」


「絡まれたら厄介だと思ったから。でも今日は俺の方が悪かったようだな…誤解してごめん」


先に大悟を突き飛ばした田中くんは頭を下げた。


それを見て大悟は気まずそうに空を仰いだ。


「毎日、イライラしてどうしようもないんだ。やるせない行き場のない気持ちを、誰かにぶつけて、八つ当たりしないとおかしくなる」


「殴る方も痛くない?」


新谷くんは半袖シャツから除く傷だらけの大悟の腕を指差す。爪で引っ掻かれたような跡や青く痛々しい色をしている傷もある。


体勢を変えて大悟を囲むようなかたちで私達は身を傾けると、体育座りをしながら彼は顔を隠すようにその腕に額をつけた。



「…母親が、入院してんだ」


花火の音に掻き消されそうなその声に私達は黙って次の言葉を待った。