「千咲ちゃん?自業自得だから放っておくよ!」
その場から動かず肩を上下させている大悟を置いてなどいけない。今度、警察に補導されたら退学の可能性だってあるかもしれない。
「お願い、大悟も一緒に連れて行って」
「なに言ってるんだよ!」
新谷くんはありえないと首を振り、田中くんは大悟を振り返り溜息をついた。
「お願いだから!」
「新谷、手を貸せ」
私が頭を下げるとすぐに田中くんは大悟に駆け寄り、無理矢理に彼の肩に手を回した。
「は?」
「早く!」
「なんでこんなことに…」
乗り気でない新谷くんも逆サイドから大悟を支えてくれた。2人がかりで立ち上がらせた大悟は「離れろ!」と悪態をついたが、引き剥がす力は残っていないようで、2人に引きずられながら前に進む。
警察の姿は見えず、遠くまでは走れない私達は人通りの少ない裏道を通り、木々の影に隠れた。
「さすがに此処までは来ないだろーはぁ、疲れた!」
新谷くんが荒い息を吐く。
息を整えていると、
花火の音が鳴り響き、一斉に歓声が上がった。
「この場所からは見えないね…」
音だけしか聞こえず、残念ながらその綺麗な姿は見えなかった。


