私が大悟ぶつかってしまったあの日のように、2人は対峙し、大悟はその拳を掲げた。
「殺してやる!二度と、俺に逆らえないようにしてやる!」
拳が田中くんの腹に命中した。
がーー、田中くんは倒れなかった。
「うおおおォーー!」
それどころか掛け声と共に大悟に蹴りを放ち、それは見事に彼の膝に命中した。
衝撃に耐えられず、大悟は一歩後ろに退く。
「おまえ…まさか、」
眼鏡が地面に落下し、目を見開いた大悟が大きな口を開けて田中くんを凝視した。
「………あの、田中か」
「……青山に二度と関わるな」
驚いた様子の大悟と、頑なに私を護ろうとしてくれる田中くん。
どうしていつも危険を前にして助けてくれるのだろう。同じ数学係という理由なら、もう止めて欲しい。自分が痛みを抱える以上に、彼が傷つく姿を見たくない。
仲裁に入ろうと一歩前に出て、
「止めといたほうがいい」
耳元でそう囁かれた。


